集中豪雨 ゲリラ豪雨

自動車が動ける水深に注意!  水没で車が止まるライン

栃木県鹿沼市で、冠水した市道で運転中の車が水没し、それを見ていた人や運転者本人から119番の救助依頼電話があったにもかかわらず、亡くなってしまうという痛ましい事故がありました。

直接の原因は、突然のゲリラ豪雨で119番TELが殺到し、救急の現場がパニックになったことで救助に向かえなかったことです。ただ私たちも、冠水した道路を走行できると判断してしまうことは避けなければなりません。

僕は中古車流通の現場で働いているので、冠水車を見る機会があるのですが、この動画のあたりまで水が来ますと、普通の車高の乗用車は動かなくなることがしばしばあります。

基本的に、水深がマフラーを超えるとアウトなんです。
水がマフラーから入り込み、排気ガスの出る力よりも流れ込んだ水の圧力が上回ることで、エンジンまで水が到達し、エンジンが故障してしまうのです。

マフラーの排気ガスの出口というのは、だいたい大人のすね付近の高さというのが一般的です。ひざより結構下ですので、立っている人間の感覚よりずっと下なのです。この感覚のズレが盲点になりやすいです。

そうはいっても走行中、ましてや大雨がまだ降っている中、突然現れた水たまりの深さを瞬時に判断するのはなかなか難しいものです。もし、ゲリラ豪雨後の水たまりに突っ込んでしまい、それがちょうどマフラーぐらいの高さかもと感じたら、アクセルを戻さないことが大切です。というのも、アクセルを戻してしまうことでマフラーからの排気力が弱まり、逆に水を吸い込むような流れが起こり、エンジンの停止につながるからです。

もちろん、アクセルを戻さないということはスピードがそのままの状態ということですから、その点もかなり注意が必要です。水しぶきで前が見えなくなることもありますし、水の抵抗でハンドルが取られることもあります。

ですから、アクセルを戻さないということは決しておすすめすることではありません。あくまでもその水たまりの状況や周囲の状況を踏まえた上で、車を止める方が危険だと思った場合のみにそう判断してください。もちろん水たまりレベルではなく池のようなレベルで水が貯まっていたら、それは明らかに危ないので、そこに侵入するのは止めましょう。冒頭のような痛ましい事故につながりかねません。

もし、自動車が止まってしまった場合の参考のために
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