担当:レッドさん
■派遣で働くメリット
産業保健の世界では正社員登用はほとんどなく、派遣社員・契約社員という方がほとんどです。それを残念と捉える方もいるかもしれませんが、私はそれでよかったと思っています。残業過多や転勤などの心配がなく、おかげで通信大学に通って資格をとったり、家族とゆっくり過ごす時間をつくれたりしました。出産や育児で無職の期間があっても、それまでの産業保健の経験から、比較的すぐに次の派遣先はみつかりますので、そういう心配はしなくて済みます。医療機関の派遣看護師のように夜勤や、不潔で危険な業務は無いのに、いただける時給はそれ以上のことも多いので、今さら医療機関では働いていられないというのが正直な気持ちです。
■産業保健は魅力がいっぱい
産業保健で働くようになって、一般的な社会人としての常識もたくさん身につきました。これは結構、大きな財産。パソコンのスキルだけでなく、敬語の使い方や、簡単な挨拶文の書き方、人前に立って話すスキルや人の話をちゃんと聴くスキル・・このお仕事をするようになって身に付いたものはたくさんあります。医療職以外の一般的な社会人との出会いもとても大きな財産です。いろんな立場でいろんな考えを持った人がいてそれで社会が成り立っているということを改めて実感できます。病院で働いていた頃は、本当に狭いものの見方で小さな世界だけを見ていたんだなと反省しました。
また、学校では勉強していても、患者さんを患者さんという目でしか見れていなくて、その方が父親であり、息子であり、上司や部下の立場も合わせもっているという部分を忘れてしまっていました。産業保健ではいろんな角度からその方を捉えて、サポートすることができます。自分の看護の世界が広がって、かつ’人’としても幅が広がった気がします。
もし、産業保健のお仕事に興味があるのでしたら、ぜひその1歩を進めてみてください。はじめは臨床とのギャップでやりがいを感じなかったりするかもしれませんが、なかなか奥深い世界です。私が、はじめて産業保健の世界に足を踏み入れてから10年ほど経ちますが、まだまだ飽きることはないですし、これからもできるだけこの世界で働いていたいと思っています。